マヤ遺跡探訪
XLAPAK
シュラパック遺跡はサイール遺跡の隣、プーク街道(州道31号)を5Kmほど東に行った所に あります。 X'lapak, Xlapak, Xlabpak 色々な綴りがあるようです。

遺跡の広さは特定されていませんが、中央部は300m四方の比較的こじんまりした遺跡で、保存状態のよい 典型的なプーク様式宮殿をひとつ見る事ができます。

見学時間はそれ程かかりません。 プーク街道観光の折は時間があれば寄ってみる事をお薦めします。

2013年に再訪し写真の撮り直しをしたので 一部写真を差し替えました。 幅広の写真が撮り直し分です。
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   (訪問日 2000年8月19日、'02年 4月14日、'13年 1月10日)
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   未発掘或いは未修復の遺構が幾つかありますが、グループ1の宮殿を見学すれば充分かもしれません。

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     (El Palacio de Xlapac)

   遺跡に入って少し歩くと宮殿の北面が見えてきます。

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 (Lado norte de El Palacio)

宮殿の北側の全景です。 一層で全部で9部屋の小さな建造物ですが、壁面上部に典型的なプーク様式装飾を持つ 均整の取れた宮殿です。

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     (Decoración escultórica de esquina noroeste)

これは北西角の三連のチャーク像。 他のプーク装飾同様、小さなパーツを嵌め込んでいった壁面装飾です。

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     (Decoración escultórica de fachada central del lado norte)

これが北面中央部の三連のチャーク像。 角のチャーク像を平面にするとほぼ同じものになります。 チャーク像 の下には小さな円柱が壁面全体に左右に並べられており、これもプーク様式で特徴的な造りです。

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 (Lado noreste y lado este de El Palacio)

これは宮殿の北東角と東面です。 東面は上部右側がかなり崩れていますが、角の三連のチャーク像は健在です。 壁面下部は シンプルな造りですが、角は丸い大きな柱で飾られ、これもプーク様式の特徴です。

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 (Lado sur de El Palacio)

そしてこれが宮殿の南面です。 木で隠れている左側の部分はかなり崩れ落ちていますが、残った 中央と右側の装飾は比較的よく残されています。

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 (Decoración escultórica de fachada central del lado sur)
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南面中央のチャーク像ですが、ここだけ少し大きめのチャーク像が二連になっており、この南面が宮殿の正面だった ようです。 左右に伸びたギザギザの歯が印象的です。

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 (Decoración escultórica de esquina sureste)

こちらは南東角の三連のチャーク像。 チャーク像左右の雷紋と下に立ち並ぶ小さな列柱はよい状態で残されています。

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 (Decoración escultórica de esquina sureste)

上の写真と同じチャーク像ですが、東側面から撮ってみました。 チャーク像の丸く曲がった鼻の部分が良く残っています。  円や長方形のパーツにも細かい彫刻が施されていますが、どういう意味でしょうか。

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  (Residente actual de El Palacio)

古典期末期にはマヤの高貴な人物が住んでいたのでしょうが、現在は彼らの棲家になっています。 ベラクルス州やゲレロ州 あたりでは食用にされるようですが、ユカタン半島では殆ど食されないようで、遺跡にはつきもののイグアナです。

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 (Vista aerea por Google earth)

空から見てもグループ2とグループ3が確認出来ます。

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 (Estructura del Grupo 2)

二度目の訪問の折、グループ 2 と 3 を捜してみました。  これはグループ 2 の建造物です。
プーク様式は見て取れますが、半ば残骸に埋もれています。

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 (Estructura del Grupo 2)

これもグループ 2 の廃墟。 上のグループ 1 の宮殿と似た建造物だそうですが…。

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 (Resto de Estructura del Grupo 3)

そしてこれがグループ3です。 この部分が残っているだけです。 まあ、暑い中歩き回るほどの事はありませんでした。
カバー遺跡からプーク街道に入って、サイール、シュラパック、ラブナーと遺跡が集中していますが、自然が豊かで、蜂蜜、 綿、蝋、或いは塩や羽毛と産物が豊富であり、交易を含めて、人口を維持できる環境があったようです。 勢力的には ウシュマルに従属していたと言うのが通説のようです。

シュラパックは以前は入場料の徴収がありましたが、現在は無料です。 宮殿は規模は小さいもののチャーク像の彫刻は 見応えがあり、時間もそれ程かかりませんから、プーク街道まで来たら是非寄られたらと思います。



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